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2017/11/15
日本は世界一の長寿国と言われていますが、老衰で亡くなる方は少数だということをご存知ですか? ただ長く生きるのではなく、健康な体で長生きするためには、食生活が重要な役割を果たします。オススメは「地中海式和食」。管理栄養士の渥美まゆ美さんがその健康効果と、ふだんの食生活への取り入れ方をご紹介します。
日本は長寿国とされていますが、心も体も元気に過ごし、老衰で亡くなっている方はなんとわずか2%。寿命を迎えるまでに、寝たきりなど制限のある生活をする期間は、男性で9.02年、女性で約12.40年あると言われ、健康的に過ごせる「健康寿命」と実際の「寿命」にギャップがあるのが現状です。(内閣府平成27年版高齢社会白書より)
できることなら、誰もが「健康寿命」の期間を1年でも延ばしたいと考えるのではないでしょうか。
私が健康セミナーや高齢者向け介護予防教室をしている時に、よく聞くのが、「さまざまな健康情報があふれているが、一体何が良いのかわからなくなる」ということです。
そんな時によくお話するのは「食事は薬ではない」こと。「でも、日々の体を作る材料ではあるので、何をどれだけ食べるか、そして食べたものがきちんと消化吸収され使われているかが大切である」ということ。
体の代謝というものは複雑に絡み合っているので、特定の食材を一時的に多く摂取したとしても、それだけで効果が得られるわけではありません。色々な食材を、幅広く取り入れることが大切なのです。
「長寿食=和食」というイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、いま世界で注目されている長寿食が、地中海式の食事です。
地中海沿岸は他の欧州諸国に比べ、心筋梗塞や狭心症といった心臓の病気が少ないことが知られています。その理由が地中海沿岸独特の食生活にあることが分かり、注目を集めているのです。
地中海食の特徴は、新鮮な野菜、果物、種実・ナッツ類、オリーブオイルを多く使うこと。赤身の肉や乳製品などの動物性食品は控えめで魚の摂取量が多く、赤ワインをほどほどに飲む…というもの。
和食もヘルシーなのですが、組み合わせによっては塩分の摂取量が多くなりすぎたり、野菜や種実・ナッツ類の使用が少なくなったりと、バランスが崩れてしまうことも。そこでおすすめなのが、和食と地中海食の“良いとこどり”をした「地中海式和食」です。
地中海食でよく使われる「くるみ」は、良質な油である必須脂肪酸オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)を含んでいます。
オメガ3脂肪酸とは、植物由来のα-リノレン酸(ALA)で、青魚の脂肪分に多く含まれる海洋由来のDHA、EPAと同じ仲間の脂肪酸です。オメガ3脂肪酸は、細胞膜の構成要素の一つであり、体の調整物質の一つ。動脈硬化を防ぎ、コレステロール値、中性脂肪値を下げ、心臓病、がん、脳卒中、糖尿病、高血圧、肥満など生活習慣病予防に効果を発揮すると報告されています。その含有量は他のナッツと比べても群を抜いており、1オンス(28g)あたり2.5g。ピーカンナッツは0.5g、アーモンドやピーナツは0gと、その差は歴然です。(米国農務省国民標準栄養データベース、リリース25(2012年)より)
くるみには、老化予防、病気予防に欠かせない抗酸化物質が、ナッツ類の中でも多く含まれています。JAMA(米国医師会雑誌)の研究発表によると、くるみを半量含むミックスナッツを加えた地中海食を摂取することは、神経系の健康を改善し、認知機能障害への対策になるとされています。
例えばイワシのくるみパン粉ローストは、くるみと青魚の組み合わせで血液サラサラ、脳の活性化が期待できる一品です。 適量は、毎日ひとつかみ。脳の活性化のほか、血管をきれいに保つためにも、ぜひくるみをプラスした地中海式和食を実践してみてください。
食事と同様、体を動かすことも重要なポイントのひとつ。筋肉も、骨も、そして内臓機能も、使えば鍛えられ、使わなくなれば衰えていきます。
健康寿命を延ばすのに良いとされる食事をするだけでは、老化による体の機能低下は免れません。地中海式和食を取り入れつつ、足先から手先まで無理なく、痛みのない程度に使ってあげることが大切です。
時間を決めて運動するのが難しいという場合は、日常生活の中での移動を早歩きにしてみたり、立っている時にかかとを持ち上げてつま先立ちになり、体幹やふくらはぎの筋肉を刺激したりと、「ながら運動」で運動機能低下予防することも意識してみてくださいね。
【材料】1人分
いわし 2尾・酒 小さじ1・塩、こしょう 少々・すりおろしにんにく 小さじ1
<パン粉>
[A] オリーブオイル 大さじ1/2・パン粉 大さじ1・くるみ 40g・プチトマト 2個 ・イタリアンパセリ 適量