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    ハーバード大学、最新研究を発表  「くるみの定期的な摂取は、平均寿命の延伸および心血管疾患による死亡リスク低減 に関連することが明らかに」

    2021/09/15

    カリフォルニア州フォルソム(2021年8月19日)― ハーバード大学T.H. CHAN公衆衛生大学院の米国の高齢者を対象にした研究によると、くるみの摂取量と頻度両方の観点から、くるみを摂取しない人に比べ、くるみの摂取が増えるほど、死亡リスクが低減され、さらに平均寿命が延伸する可能性があることが明らかになりました。

    ハーバード大学T.H. CHAN公衆衛生大学院栄養学部の上級研究員であり、主任研究者を務めるヤンピン・リー氏は、本研究結果を受け、次のように述べています。「今回の研究から、1週間にひとつかみのくるみを数回食べるだけでも、特に普段、食事の質が良好ではない人の寿命促進に寄与する可能性がわかりました。健康増進を目指す人にとって、実現可能で有意義なヒントになることが期待されます。」

    本研究は、カリフォルニア くるみ協会による資金援助を受けたもので、医学雑誌『Nutrients』で発表されました。本研究によると、1週間につき5つかみ以上のくるみ(ひとつかみ(約28g)の摂取が、死亡リスクと平均寿命に最大限の有益性をもたらす可能性があることが判明。1週間に5つかみ以上のくるみを食べることにより、摂取しなかった人と比較して、(全死因)死亡リスクは14%低く、心血管疾患による死亡リスクは25%低く、また、平均寿命は約1.3年延びるという結果が出ました。1週間に2~4回くるみを摂取する人の場合でも同様の有益性を得ることができ、くるみを摂取しない人と比較して、死亡リスクは全体で13%、心血管疾患による死亡リスクは14%と低く、平均寿命は約1年延びることがわかりました。

    本研究のために研究者が調べたのは、1986年に行われた看護師健康調査の対象となった平均年齢63.6歳の女性67,014名と、医療従事者追跡調査に参加した平均年齢63.3歳の男性26,326名のデータ(両コホートにおけるくるみの摂取の初回収集データ)です。参加者は、調査参加時、比較的健康で(がん、心臓病、脳卒中等は認められず)、約20年間(1998~2018年)追跡調査が行われました。さらに、4年毎に参加者の食事摂取の評価を実施し、参加者は、どのくらいの頻度でくるみやその他のナッツ、およびピーナッツを摂取したかといった食事摂取全体について、運動や喫煙状態等のライフスタイル要因について報告しました。研究者は、このような長期にわたる調査により、くるみの摂取と寿命に関連する多様な健康指標との関係性を特定することが可能となっています。

    前向き観察研究として、これらの結果は因果関係を証明するものではありませんが、本研究ではくるみの摂取がいかにして、寿命を促進する健康的なライフスタイル全般をサポートできるかを解明するためのヒントとなっています。くるみの摂取量が多い参加者ほど、身体的により活発で、より健康的な食生活を実践し、アルコール消費量はより少なく、また、マルチビタミンを摂取している傾向がありました。本データの収集は、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)が流行する前に実施されたという点に留意する必要がありますが、このような個人のライフスタイルはすべて平均寿命に影響を与え得るものです。研究者は自身の分析において、こうした側面を踏まえて研究の分析を行っています。

    • くるみドレッシングのパワーサラダ

      参考レシピ:くるみドレッシングのパワーサラダ

    • ローストペッパーとくるみのフムス

      参考レシピ:地中海風ウォルドルフサラダ

    参考文献:

    1 Liu, X.; Guasch-Ferré, M.; Tobias, D.K.; Li, Y. Association of Walnut Consumption with Total and
    Cause-Specific Mortality and Life Expectancy in U.S. Adults. Nutrients 2021, 13, 2699.
    https://doi.org/10.3390/nu13082699